サンバイオの今期決算説明会の動画を見た。説明会開始30分前に米国RMAT指定IRを出すぐらいだから、仕組まれた説明会であったと思う。(通例より開始時間が1時間早い。)森社長に次いであった3人の話を備忘録として。
【執行役員 事業部長(日本・アジア):山本寛さんの話より】
「患者さんをしっかりとサポートしていきたい」という投げかけをサンバイオからスズケンへしたとのこと。冷たい企業ではなく、温かい企業だという印象を受ける。ぬるいことを自分は言っているのかも知れないけれど、本能に直感的に訴える企業の方が、長期的な成長・発展を望める。それは、顧客からも、株主からも。もちろん取引先からも。そして社員からも。R-SATシステムや物流について、超具体的に決まっていて、(それらは、機関投資家向けというより、病院向けというぐらい具体的。) R-STAシステムの根幹は、サンバイオという会社の価値観をよく社会に示していくものなんだろうと思う。「薬を作って、はい終わり。」「売上至上主義」なんていう会社になろうとしているのではないということがよく分かった。「日本の再生医療のプラットフォームを作りたい」というのは、志に満ちていてかっこよ過ぎやろと思う。どれだけ社会に貢献するつもりなのか。新薬開発だけのただのバイオベンチャーではないことがよく分かる。ビジネス的に見ても、サンバイオはこれから、「特許料」(各国で多数の特許を持つ。)や「システム使用料」の収入だけでもそこそこの額になりそうな気配がある。そして、SB623の販売は、2021年1月期中。つまりほぼ2020年内!を明言。まあこれは、日米欧での指定獲得から見えていたとではあるが、こう明言されると安心できる。(TBIグローバルフェーズ3の実施が今期中から来期中に変更されていることを気にされている方も多いようだけれど、普通に考えてフェーズ3は「上市しながら」行なうのではないだろうか。あるいは簡略化フェーズ3とか。そのための日欧米の各指定なのではないか??)
【執行役員 チーフ・メディカル・オフィサー:ビジャン・ネジャドニク(開発、規制担当)の話より】
今までBT指定と、RMAT指定の違いがはっきりわかっておらず、どちらかがどちらかの上?ぐらいの捉えであったけれど、説明によると、BT指定の再生医療特化版がRMAT指定。指定受けたのにフェーズ3に言及したことはどういうことなのかまだ調べられていないけれど、一般的な大規模フェーズ3とは違った形(上市しながら?とか、限定的、とか?)になるのだろうか?また、慢性期脳梗塞適応についても、試験のデザインが出来上がりそうであり、「脳梗塞についても自信を持って進められる。」「追加の試験を持って進めていく。それからフェーズ3にいずれ入る。」の旨の発言は、今後の展開に大きく含みを持たせている。「追加の試験」は興味深く、小規模な追加試験をするのだろうか?何れにせよ、薬効全くなしの詳細データであったならこんな流れにはならないだろうから、慢性期脳梗塞の詳細発表を期待して良いという期待が、確信に変わった。(しかも、この発表も近い。楽しみすぎる。)
【専務取締役 米国サンバイオ社長:辻村明広さんの話より】
以下の世界のTBI患者数のスライドあり。
「TBI2000万人弱。」というマーケットの大きさを明示。これは機関投資家を納得させるために必要であったと思う。しかし、辻村社長の話で特に興味深かったのは、会社の体制づくりを説明したこと。
・人材配置
・裁量権の付与の有無
・給料体系
など、強い組織の作り方について言及。「年功序列」だの「会議のための会議」だの、世界に太刀打ちできな旧態依然な日本の企業の姿はもちろんここには微塵もない。世界を舞台に成長していこうとする企業姿勢がすでに備わっている。サンバイオはアメリカナイズされた日本の上場企業であり、国際競争に十分勝っていける雰囲気を感じる。「TBIは、日本で最初に上市」の発言は、個人的にはこだわることでもないが、日本人としてとしては応援したい面でもある。「TBIで横軸(地域)を広げ、その資産を使って縦軸(適応症)を。」という考え方は自分(おそらく他の多数の株主の方)の考え方とも合致し、良戦略であると思う。あとはそのTBIの横軸の広げ方論については、これからも掲示板上などで様々な見方が出てくると思う。(自分的には、導出無く自販にこだわる姿勢は、企業価値を最大限に高めるという観点ではOK派です。虫のいい話ですが、それを増資せずにできぬか。そこに興味があります。)「国内の再生細胞薬のフロントランナーに。」というのは、R-SATシステムの構築から、何が言いたいのか、何がしたいのか、何を目指しているのか、よく分かった。説明会翌日に出た網膜疾患を適応症にの共同研究IRは、このあたりのことも体現することなので男気を感じる。
「再生医療グローバルNo.1企業に。」(森社長)
「国内の再生細胞薬のフロントランナーに。」 (辻村社長)
言っていることとやっていることが合致するので本当にすごい。(些細なことだけれど、米国社長と日本社長の立場をクロスさせて言っていることにも、企業風土を何気に感じる。日本会社と米国会社が、手を携えて事業を進捗させていることが暗に伝わってくる。)
【余談】
①
5月の「欧米市場での SB623 の販売需要を見越し、SB623(外傷性脳損傷用途を含みますが、これに限りません。)の量産化能力の向上及び安定供給体制を確保するための製造委託企業の複線化を図る」とされている非常に短期間で70億円集めた急ぎ足の増資は、製造プロセスを構築して、このアメリカRMAT指定を取りに行くためだたっと断定できるのではないか?
BBbridgeというメルマガの2015/4/30の記事に「実際にRocheの担当者は2013年11月にBTの制度の下で初めて承認されたGazyva(糖鎖改変を行った第二世代の抗CD20抗体)の経験を基に、BT制度を用いた承認取得の実情について講演していました。ちなみにGazyvaはBT指定から承認取得までわずか6か月間しかかかっていません。BT制度を活用した早期承認取得のカギはプロセス開発です。特にバイオ医薬品の場合は製造プロセス開発に時間がかかるため、製造プロセスの開発を如何に迅速・正確に終了できるかが重要です。例えば通常フェーズIII試験完了までに行っていた製造プロセス開発をフェーズII終了までに全て完了させなければならないというものです。BTを活用する際にはプロセス開発に強いバイオCMOとの協業も有効です。」とある。
このことからも、RMAT指定も製造プロセス開発がキーだと思える。ということは・・・近々、米国での製造提携IRなども期待大である。
②
RMAT指定による優遇措置には以下の3つがある模様。
A:FDAに製品開発及び審査を促進しうるサポートを受けることが出来る。
B:優先審査制度
C:迅速承認制度
AはFDAによる審査において、開発初期から助言が得られる。
Bは10ヶ月の審査が、6か月以内に短縮される。
Cは標準的試験のかわりにサロゲート(代用)または中間エンドポイントでの結果から販売承認を行うことが出来る。つまり、手続きのスキップであり、代わりに発売後の第4相試験が必要。(やはり第3相はかなりの形で省略か?)Bのみを取り上げて、10ヶ月が6ヶ月になっただけ・・・という論調もあるようだけれど、そうじゃない。A〜C、3つの特典がある。これは大きい!
RMAT指定→承認申請IR?
欧州ATMP指定→PRIME指定IR
日本先駆け審査指定制度→承認申請IR
など、
これからは本当に爆発的IRの連発になるだろうと思う。年内の、株価最高値更新は現実味を持ってきた。
かっこよすぎてサンバイオグッズの販売を希望します。笑
がんばれ!サンバイオ !!
コメント
コメント一覧 (12)
日米欧での迅速承認、夢がありますよねー。
私は性格なのか、つい悲観的に考えてしまいますが、欧米での早期上市が実現すれば、サンバイオの成功は揺るぎのないものとなり、世界的な企業へと飛躍を遂げることになりますので、期待したいです。
これからもサンバイオを応援していきましょう!
bobouchan
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bobouchan
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「脳梗塞のプログラムですが自信をもって進める事が出来るかという事です。現時点での答えは、はっきりとイエスです。我々はこれから、脳梗塞のプログラムを追加の試験でもって進めて行こうと思っております。そしてその後、第三相の試験にもいずれ入って行きたいと思っています。」
この追加試験が、色々憶測を呼んでおります。
推測ですが、何故追加試験を行うか、見直し後の試験デザインの検証が目的でしょう。
何を見直すのかは、ここまでの流れで有力候補は、ある程度絞られます。
①投与量②SB623が効きにくい患者の特性③SB623の高品質を適切に維持した状態で手術室に搬入できたか④手技そのもの⑤副次評価項目に簡単な認知機能を追加するか
今の状態では、いきなりフェーズ3は無理があるのでしょう。さりとて、フェーズ2を初めから同規模やり直しでは、コスト・時間のロスが大きすぎます。結果、比較的小規模な追加試験実施がベストという判断ではないでしょうか?
多分、詳細解析はほぼ終了していて、この試験デザインを固めるまでは、大日本住友と共同の開発継続IRは出さない、こういうことなのかもしれません。
bobouchan
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totochanさんが応援掲示板に上げられているCPCの話題。大変勉強になりましたm(_ _)m
bobouchan
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1)相応の成果が得られた場合、日本において、慢性期脳梗塞試験は、フェーズ3から単独スタート(慢性期脳出血はフェーズ2またはフェーズ3からの開始を見込んでいます、とホームページ上で記載)も可能性として否定できません。
2)あるいはいきなり早期・条件付き承認を狙うことも可能性としてゼロではありません。
「ICH E5 及び E6 ガイドラインに従って試験が実施されていれば、そのような外国の臨床試験データを入手、活用することにより、他の ICH 加盟国で同様なデー タを繰り返し収集することが必要なくなるであろう。」この海外データ活用(strokeフェーズ1/2a,フェーズ2、追加試験データをフル活用する)で一気に早期・条件付き承認申請をするという選択肢です。あるいは、比較的小規模なフェーズ2試験を国内で実施、それに海外データを添付して申請する。色々考えられます。
bobouchan
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bobouchan
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bobouchan
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bobouchan
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bobouchan
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